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139 冬合宿初日の朝に

Penulis: 栗栖蛍
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-06 08:11:05

 スマホの時計が七時に変わる瞬間を狙って、咲は蓮に電話した。朝の挨拶はメールの事が多かったけれど、今日ばかりは声が聞きたいと伝えてある。

 翌日にハロンの襲来を控えた11月30日、『運動する部』の冬合宿初日の朝だ。

 いつもより早く目が覚めて、肌寒い部屋の温度に蓮のパーカーを羽織る。咲は彼と今までしたメールのログを読み返しながら、七時になるのを待っていた。

『おはよう、咲』

 おはようと挨拶して、「今日は寒いな」と他愛のない話をする。

 海に行った時、蓮はハロン戦まであと二回会おうと言ってくれたが、結局あれから五回も会う事が出来た。それでもまだ足りないと思ってしまう。

 前のハロン戦もそうだったけれど、この次に彼と話すのは戦いが終わった後だと決めている。だから彼の声にどっぷりと浸って、咲は「大好きだよ」と伝えた。

『俺も好きだよ。咲の事待ってるから、ちゃんと戻って来いよ』

「ありがとう、蓮。そうだ、この間借りた服、着てってもいいか?」

『服って、パーカーのこと? 構わないけど、大分くたびれてるでしょ?』

「気にしないから」

『だったらいいけど』

 咲は「やった」と袖口を握り締めて、ベッドサイドに掲げてある旗を見上げた。数日前に完成した、ハロン戦用の旗だ。

 咲は蓮の余韻に目を細め、「行ってくるよ」と立ち上がった。

   ☆

 朝早く目が覚めて、芙美はハリオスこと田中校長から預かっている本を読んでいた。

 ウィザードとしての魔法が書かれた魔導書だ。寝不足は良くないと思ったけれど、夜何度も目が覚めて、半ば諦めモードで机に向かった。

 焦っているのが自分でもよく分かる。

 結局、今日になっても青い魔導書の破られた三ページ分の記憶は戻ってこなかった。

 今日は学校の授業を終えた後、合宿という流れだ。

 予言ではハロンの出現は明日の筈だが、前回が予定より前に現れたせいで予断を許さない状況だと思っている。こうしている間にも出ないとは言い切れないのだ。

 マナーモードのままベッドに放り投げていたスマホを確認すると、湊から『おはよう』のメールが届いていた。それ以外の緊急なものはなくホッとして、芙美は彼へいつも通り『おはよう』と返す。

 寝不足気味の目を擦りながら、いつもの支度に合宿用の着替えなどを合わせ、大荷物を抱えて階段を下りた。中條から預かった記憶の石も、ちゃんとポケットに入
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